親御さんが作成した公正証書遺言を預かっていたが、親御さんが他界された後、公正証書遺言を探してみたもののどうしても見つからない、どうやら失くしてしまったようだ、といったことがあるかもしれません。
本コラムでは、公正証書遺言を失くしてしまったときの対応について解説していきます。
公正証書遺言を失くしてしまったらどうなるの…?
結論から言うと、公正証書遺言は紛失しても心配することはありません。
再発行してもらうことができるからです。
公正証書遺言はどこで再発行できるのか?
公証役場では、公正証書遺言の原本、正本、謄本がそれぞれ1通ずつ作成されます。
原本は、遺言者本人、証人2人、公証人がそれぞれ署名捺印したもので、この世に1通しか存在しないものです。
正本と謄本は、どちらも原本の写しですが、正本は原本と同じ効力を持つのに対し、謄本は単なる写しで遺言書の存在や内容を確認できるだけのものである、という点に違いがあります。
原本は公証役場に保管され(公証役場にもよりますが、遺言者の生後120年間保存している、あるいは実質半永久的に保存している、といった運用がされています。)、正本と謄本は公正証書遺言作成時に遺言者に交付されます。
原本が公証役場に保管されているので、もし公正証書遺言正本を失くしてしまっても、公証役場にお願いすれば再発行してもらえるというわけです。
公正証書遺言の再発行は原本を保管している公証役場に依頼します。
どこの公証役場に原本が保管されているかわからない場合は?
どの公証役場に原本が保管されているかわからない場合、日本公証人連合会では、昭和64年1月1日以降に作成された公正証書遺言を検索するシステムがあることから、お近くの公証役場に申請すれば、どこの公証役場に保管されているか調べてもらうことができます(申請できる人は遺言者の生前は遺言者のみ、遺言者の死後は相続人や受遺者などの利害関係人に限られます。)。
昭和63年以前に作成された公正証書遺言については、データベース化されていないので、お近くの公証役場を中心に問い合わせをすることになります。
お気軽にご相談ください
このように、もし失くしてしまっても再発行してもらえることから、遺言を残される場合には、
公正証書遺言を作成することをお勧めします。
当事務所では、公正証書遺言作成の手続を取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。
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