生前対策をするべき方とは
遺産がある方であれば誰でも、遺言書の作成など財産に関する生前対策を行うことをおすすめします。
ここでは、特に生前対策をするべきと思われる方について解説します。
- 配偶者はいますが、子はいません。遺言書を作った方が良いでしょうか。
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遺言書の作成をおすすめします。
相続人は、①残された配偶者と、②被相続人(亡くなった方)の兄弟になります。
相続の割合は、①配偶者:②被相続人の兄弟=3:1です。
複数の兄弟がいる場合には、兄弟全員で4分の1を分け合うことになります。
兄弟に財産を遺そうと考えている方は少ないのではないでしょうか。
自分の遺産は、残された妻や夫の生活にために使ってもらいたいと考えることが一般的だと思います。
兄弟が自分の財産を相続するということすら知らないという方も多いと思います。
当然、残された配偶者がすべて相続できると思っているわけです。
また、たとえ兄弟が相続することを知っていても、自分の兄弟が残された配偶者と争うことになるとは考えてないことも多いでしょう。
こういったことから、遺言書を残さないで亡くなってしまうというわけです。
実際に預貯金の書き換えなどをする際には、残された配偶者は、被相続人の兄弟から書面に印鑑を押してもらったり印鑑証明書をもらったりしないといけません。
この手続きがとても大変です。
残された配偶者が高齢の場合にはなおさらです。
さらに、ここ10年程で、各個人の権利意識が高まってきています。
被相続人の兄弟たちが4分の1の相続権を主張するかもしれません。
そうすると、残された配偶者が被相続人の兄弟と相続争いをすることになってしまいます。
このような争いとなると、たとえ解決できたとしても、両者の関係は冷え切ってしまいます。
法事をしても兄弟に来てもらえないとか、そもそも呼ばないということにすらなりかねません。
数十年前ならば考えられなかった事態ですが、今では現実に起こるようになってきていることなのです。
遺言書に「相続財産は全て配偶者に遺す」としておけば、このような事態は全て防げます。
ご結婚されていてお子様のいない方については特に遺言書を残すなど生前対策をしたほうが良いと言えます。
- 相続人になりうる親戚が精神障害や認知症を患っています。遺言書を作った方が良いでしょうか。
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遺言書の作成をおすすめします。
精神障害や認知症の方が、遺産分割などをする際には、成年後見人を立てなくてはなりません。
亡くなった後に遺産分割をするとなると、わざわざ成年後見人を立てるという手間が必要となってきます。
成年後見人は、裁判所に選任してもらう必要があり時間と費用が掛かります。
このような手間を回避するために、相続人に精神障害や認知症の方がいる場合、遺言書を残したほうが良いと言えます。
遺言書で「精神障害や痴呆の方以外を財産の受取人とする」ことで、成年後見人を選任する手間を回避できます。
- 離婚した元配偶者が子の親権者となりました。遺言書を作った方が良いでしょうか。
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遺言書の作成をおすすめします。
離婚した元配偶者が子の親権者となった場合、子と面会交流できていないというケースが多くあります。
このケースでは、その子に自分の遺産を相続させたいと考える方は少ないでしょう。
もし自身に何かあった場合には親や兄弟に相続させたいと考えていることが多いだろうと推測されます。
突然事故に遭ったり、重い病気を患ったり、予期せず亡くなってしまうことはありえます。
しかし、まだ40・50代の場合には、自らの死をイメージすることは難しいでしょう。
まさか自分が死ぬなんて思わない、生前対策なんてまだまだ・・・と暢気に構えているとどうなってしまうでしょうか。
遺言書の作成などの生前対策をしないままに亡くなると、財産は全て子に相続されます。
この場合に悲しむのは、被相続人の親です。
親からすると我が子が死んで悲しいのに、もはや交流の亡くなった被相続人の子、つまり孫が全ての財産を相続して自分の手元には何も残らないこととなり、さらに強いショックを受けることでしょう。
似たようなケースで代理人となった際に、親のショックはかなり大きいものだと知りました。
親を悲しませないためにも、離婚をして元配偶者が子の親権を取った場合には、必ず遺言書を残すなどの生前対策を行ってください。
遺言書は、財産を親か兄弟に相続させる、もしくは再婚した家族に相続させるという内容にしましょう。
★つづきはこちら→生前対策 遺言書のQ&A―2
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