遺言書は15歳になれば作成することができます。
とは言っても、あまり若いうちから遺言書を作成する人は少ないでしょう。
法務省が平成30年に行った遺言に関する調査でも調査対象は55歳以上の人たちとなっており、遺言書を作成しようと思う多くの方は、50代以降ではないかと思います。
同調査では、年齢が上がるにつれて遺言書を作成したことがあるという人の比率が増えていました。ここで面白いのが、遺言書を作成したいと思う人はどの世代も同じような比率であったことです。この調査結果から推測すると、恐らく、遺言書を作成したいと考えていても、比較的若い世代の人はいずれそのうちでいいかな、と考えているのではないかと思われます。
遺言書の作成は早めがよい
しかし、遺言書を作成したいと思われるのであれば、早めに作成することをお勧めします。
・認知症になってしまうと遺言書を作成できなくなってしまう可能性がある
遺言書を作成するには、15歳以上であることのほかに、「意思能力」があることが必要です。
「意思能力」とは、意思表示などの法律上の判断において自己の行為の結果を判断することができる能力のことです。
軽度の認知症であれば意思能力ありと判断されることもありえますが、ある程度症状が進んでしまうと、この「意思能力」がないとみなされ、せっかく遺言書を作成したとしても無効とされてしまう可能性が高くなります。
・不慮の事故や急な病で遺言書を遺すことができなくなってしまう可能性がある
どんなに気を付けていたとしても、交通事故や地震や水害などの自然災害に巻き込まれてしまう可能性はゼロではありません。また、まったく気が付かないまま病が進行し、ある日突然亡くなってしまう、一命を取り止めたとしても重い後遺症が残ってしまう、という可能性もありえます(縁起でもない話で申し訳ないですが……)。
以上のような理由から、遺言書を作成したいという方は早めに作成する方がよいと考えます。
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