遺留分の主張方法
自分に遺留分があると分かった場合に、どのように遺留分の請求をすればよいでしょうか。
例えば、預金が600万円、不動産が評価額1000万円の遺産があり、相続人は、子供2人(長男A、二男B)だったとします。
長男Aに全遺産を相続させるという遺言があった場合、二男BはAに対し、遺産の4分の1(財産的価値でいえば400万円分)について、遺留分の権利を主張することができます。
遺留分の計算方法はこちら
では、具体的に、遺留分はどのようにして貰うのでしょうか。
Bとしては、不動産はいらないから全部お金で貰いたいと言いたいですよね。
昔はそのような主張はできませんでした。
しかし、民法が改正されて、2019年7月から、Bは、「土地はいらないから全部お金でください。」と言えるようになりました。
つまり、BはAに対して、400万円支払ってくださいと言えます。
遺留分の時効
次に、BはAに対し、どのようにして遺留分の権利を主張すればよいでしょうか。
遺留分の請求で気を付けなければならないのは、遺留分は1年で消滅時効にかかるという点です。
時効のカウントは、自分の遺留分が侵害されていることを知った時から始まります。上のケースのBでいえば、Aに遺産を全部与えるという遺言の存在を知った時です。
遺言の存在を知ってからたったの1年ですから、注意が必要です。
では、Bはどのようにすれば、時効を止められるでしょうか。
時効を止める方法は、遺留分を主張するという書面を送ることです。
書面には「いくら支払ってください。」など難しいことを書く必要はなく、「私の遺留分が侵害されていますので、遺留分の請求をします。」とだけ記載すれば良いです。
★書式についてはこちらをお使いください。
内容は以上のようにシンプルで良いですが、請求書面が届いたことを書面で残す必要があります。
書面で残す場合、内容証明郵便という特殊な郵便で送ります。
内容証明郵便で送っても、受け取りを拒否されたり、不在で相手が受領しなかったりした場合、内容証明郵便がBのところに戻ってきてしまいます。
この場合、書面が届いたとはいえず、時効は止まりません。
この場合には、レターパックライトで送り直す方が良いでしょう。
内容証明郵便
内容証明郵便とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した書面によって郵便局が証明する制度です。
内容証明郵便は以下のように様式が厳格に決められています。
・1枚に書ける文字数が決まっている
・差出人と受取人の住所氏名を書く
・写真や資料は同封できない
様式に従って同じ文書を3通作成し、郵便局に持参して発送します。
3通作成した文書のうち1通が受取人に送付されます。もう1通は差出人の控えに、残る1通は郵便局が保管します。
内容証明郵便は、一般書留扱いで送付されるため、受け取りに当たっては受取人の印鑑やサインが必要です。
なお、内容証明郵便は、送ることができる郵便局が決まっていますので、郵便局に持ち込む前に内容証明郵便の取り扱いがあるかどうかを確認されることをお勧めいたします。
レターパックライト
レターパックライトとは、A4サイズ・4kgまで全国一律料金で、信書も送れる郵便局のサービスであるレターパックの1つです。
レターパックにはレターパックプラスとレターパックライトの2種類があります。
レターパックプラスは、書留郵便と同様、受け取る際に受取人の印鑑やサインが必要であるのに対し、レターパックライトは郵便受けに投函されるだけで受取人の印鑑やサインは必要ありません。
しかも、郵便受けに投函されたかどうかを郵便局の郵便追跡サービスで確認できます。
相手方に文書は送りたいけれども受け取られずに戻ってきてしまうのは避けたい、という場合には、レターパックライトが便利です。
このようにして、Bは、内容証明郵便やレターパックライトなどを使って、遺留分の権利を主張して時効を止めることができます。
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