目次

1 遺産の使い込みの調査方法

2 実際に使い込みがあったら?

2.1 被相続人に頼まれて預金を払い戻した

2.2 被相続人から生前贈与を受けた

2.3 私的に着服した

2.4 葬儀費用として払い戻した

3 使途不明金の返還を求める方法

 

 

 

遺産分割でよくあるトラブルの1つに『相続人による遺産の使い込み』があります。

➡被相続人と同居していた相続人が、被相続人の預金を勝手に引き出していたというようなケースです

 

相続人のうちの誰かが使い込みをしていたとなると、公平な遺産分割ができなくなってしまうため、他の相続人としては到底納得できないでしょう。

 

このコラムでは、遺産の使い込みがあった場合にどう対処していけばよいかについて説明していきます。

 

 

 

 

1 遺産の使い込みの調査方法

 

 

 

 

遺産の使い込みが疑われる場合、一番使い込みされやすいのは『預金』です。

➡ まずは、被相続人名義の預金口座を調べる必要があります。

 

 

相続人であれば、相続人であることがわかる戸籍謄本などを提示して該当の金融機関で手続をすれば、被相続人の口座の死亡時の残高や取引履歴を取得することが可能です。

 ➡ 過去10年分くらいまで一般的に遡ることができます

 

 

また、被相続人の株式売却代金や生命保険の解約返戻金が使い込まれていたという場合にも、相続人が証券会社や生命保険会社で手続をすれば、取引履歴や保険の解約年月日、返戻金額などの資料を開示してもらうことができます。

 

 

 

 

 

2 実際に使い込みがあったら?

 

 

使い込みをしたことが疑われる相続人に対し、まず書面で使途を問い合わせます

 

相手方からは、以下のいずれかの回答が出てくることが多いです。

 

 

      1.被相続人に頼まれて預金を払い戻した

      2.被相続人から生前贈与を受けた

      3.私的に着服した

      4.葬儀費用として払い戻した

 

 

 

それぞれの回答に対する対応方法について検討していきましょう。

 

 

 

 

2.1 被相続人に頼まれて預金を払い戻した

 

 

 

 

寝たきりになるなど外出がままならなくなった被相続人に代わって、面倒を見ていた相続人が預金を払い戻しているケースがあります。

 

本来、預金を引き出すためには被相続人から委任を受けていることが必要です。

しかし、親族間で正式な委任契約を取り交わしていることはまずありません。

 

委任状などがなくても被相続人の医療費や生活費として合理的な範囲の金額は正当な引き出しとして認めざるを得ないでしょう。

 

 

ただし・・・

 

(例)被相続人が認知症になるなどして意思能力に問題があるにもかかわらず、被相続人から委任を受けていたと主張して払い戻しがされていた

➡ 被相続人との委任関係に疑義が生じるため、使い込みである可能性が高まります。

 

 

このように合理的な範囲を超えて払い戻しがされている場合には、使途不明金として返還を求める必要があります。

 

 

 

 

 

2.2 被相続人から生前贈与を受けた

 

 

 

 

払い戻された預金は被相続人から生前に贈与されたものだ、と主張された

➡ 被相続人の遺産総額に加算して遺産分割の手続を行うことになります。

 

 

 

 

 

2.3 私的に着服した

 

 

 

 

 

被相続人の預金を勝手に払い出して自分のために使った、というケースも往々にして見られます。

 

当然ながら、遺産を無断で自分のために費消することは認められていません。

 

このように、相続人が遺産を着服していた場合には、使途不明金として返還を求める必要があります。

 

 

 

 

 

2.4 葬儀費用として払い戻した

 

 

 

 

実は、葬儀費用は誰が負担するか、ということは、法律では定められていません

 

喪主が負担している場合もよくありますが、遺族が公平に負担するため遺産から葬儀費用を支出するということも合理的な解釈と言えます。

 

裁判例でも見解は分かれています。

 

葬儀費用として妥当な範囲内であれば、正当な引き出しとして認めても差し支えないでしょう。

 

妥当な範囲を超えて引き出しがされていた場合は、やはり使途不明金として返還を求める必要があります。

 

 

 

 

 

3 使途不明金の返還を求める方法

 

 

 

 

 

使途不明金の返還について相続人間での話し合いで解決しない場合には、民事訴訟で解決を図ることになります。

 

具体的には、不当利得返還請求または不法行為による損害賠償請求の裁判を起こすことになります。

 

詳しい説明は省きますが、立証の難しさ時効の問題から、不当利得返還請求の裁判を起こすことが多いです。

 

 

 

 

 

 

★当事務所では、被相続人の取引履歴の調査から遺産の使い込みをした相続人への対応、その後の遺産分割協議や裁判に至るまで、遺産分割に関するご依頼をお引き受けしております。

 

遺産の使い込みをはじめ遺産分割でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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