公的年金の未支給年金と相続放棄について
未支給年金とは
未支給年金とは、亡くなった方が本来受け取るはずだった年金のことを指します。
公的年金は原則として、年に6回、偶数月の15日に前月分、前々月分が後払いで受給者に支払われる仕組みになっているため、受給者が亡くなった時には未支給年金が発生することになります。
未支給年金は、亡くなった月の分まで発生するので、たとえ1日に亡くなったとしてもひと月分の年金額が支給されます。(※日割計算は行われません。)
<未支給年金の例>
亡くなった日 | 受け取れる未支給年金 |
偶数月支給日より前(例:4/10) | 前々月、前月、当月分(例:2月、3月、4月分) |
偶数月支給日より後(例:4/20) | 当月分(例:4月分) |
奇数月(例:5/10) | 前月、当月分(例:4月、5月分) |
受取人、受け取りの方法
では、受給者が亡くなってしまった後、未支給年金は誰が受け取ることになるのでしょうか。
受取人は、相続人なら誰でもよいというわけではなく、被相続人が亡くなったときに被相続人と生計を同じくする遺族である必要があります。
さらに生計を同じくする遺族が複数いるときには以下の順序によって決まります。
①配偶者
②子
③父母
④孫
⑤祖父母
⑥兄弟姉妹
⑦上記以外の3親等以内の親族(叔父、叔母、甥、姪など)
受取人は、年金事務所に「未支給年金・未支給給付金請求書」(受給権者死亡届(報告書)も一緒に複写となっています。)を提出することで未支給年金の請求、受け取りをすることができます。
年金事務所への届け出が遅くなり、被相続人が亡くなった月以降の未支給年金が支給されてしまった場合には返却が求められますので、この点は注意が必要です。
未支給年金を受け取っても相続放棄できるか?
未支給年金の受け取りをすると相続放棄ができなくなるのではないかと不安に思う方もいらっしゃると思います。
未支給年金は、遺族の生活を保障するという観点から、相続財産ではなく遺族のための「固有財産」となり、受取人の個人所得(一時所得)となります。
相続財産には当たらないため、未支給年金を受け取ったからといって相続における単純承認にはならず(※単純承認となると放棄ができません)、相続放棄を予定している方でも受け取ることができます。
当事務所では、相続放棄をはじめ様々な相続サポートをご用意しております。
相続でお困りの事などございましたら、お気軽に当事務所までお電話ください。(TEL:0276-56-4736)
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